あれは確か五歳とか六歳とかだったと思う。

遥くんと絢人と遊んでいたら千架さんがショートケーキをおやつに出してくれたんだ。

それを三人で食べていたら私が最後まで大切に残しておいた苺を食べたんだ。





「大好物だから最後に残しておいたのに、いらないならちょうだいって返事も聞かないで絢人が食べたんだよね」


からかう様に笑うと絢人は困った様に笑う。



「俺が好きなものは最初に食べる派だったからさ、大泣きされた時はビックリした」


「でもそれを見た遥くんが自分の分の苺をくれたんだよね」



まだ遥くんも苺を食べていなくて、依良にあげる。と言って自分の分の苺を私にくれたんだ。

小さい頃から遥くんは優しくて大人で…。




その時の事を思い出すと今でも心がほっこりする。