それから私と遥くんは夜景の見えるレストランでご飯を食べた。


遥くんが予約をしておいてくれたらしく、個室だった。






「依良、本当に大丈夫なの?」


あれからしきりに遥くんは私にそう聞いてくる。

心配かけちゃったんだなと反省だ。



「大丈夫だよ、ごめんね心配かけちゃって…。
でももう大丈夫だから、ご飯食べよう」


「……そうだね」



ニコリと笑うと遥くんもナイフとフォークを手に取ってお肉を切り取った。





私はというと本当にもう大丈夫だ。


あの時は確かに胸がザワザワしたし、遥くんの言葉にチクチクと傷んだけれど、遥くんに優しく髪を撫でられて遥くんの近くに居たらそのチクチクも飛んでいった。


今は遥くんが私の為にレストランを用意してくれた事や、久しぶりに遥くんとどこかに出掛けてご飯を食べてるという事に胸が弾んだ。





単純だと言われても、遥くんと居れば楽しくて嬉しいんだからしょうがない。







だけど私がこうして直ぐに浮かれる事が出来てたのは何も心配がなかったからだと、後に知る事になる。