ザザーッ────…
ザザーッ──────…
「わっ、冷たい!」
寄せては返す波に私のテンションが上がる。
結局私は足だけ海に浸かった。
思ったより寒くなかったから。
だけどやっぱり波が打ち寄せると一気にふくらはぎ辺りまで水が来るから少し冷たい。
「依良、風邪引くよ」
キャッキャッとはしゃぐ私に呆れた様に言う遥くん。
夕日はもう半分以上沈みかけていて
遥くんの立ってる場所は影になっていて顔がよく見えない。
なんだか、それがすごく怖かった。
胸がザワザワして、泣きたくなる。
「……っ」
遥くんが見えなくて、遠くに行ってしまいそうで。
「は…、るく、ん」
理由はわからないけどすごく不安で。
「遥くん…」
怖くて怖くて。
「遥くんっ!!」
気づいたら遥くんの名前を叫んでいた。



