それからケーキを食べ終えて簡単なアンケートに答えた私達はお店を出た。
「依良、どこか行きたい所ある?」
「行きたい所?」
「うん。せっかくだから依良のいき行きたい所行こう」
遥くんにそう言われ、行きたい所を考える。
「うーん…」
行きたい所……。
そう言われてもすぐには思い浮かばない。
けど、一つだけ浮かんだ場所があった…。
「海…行きたいな」
「海?」
「うん、ダメかな?」
もう秋だし、寒いかな?と思いながらダメ元で聞いてみると遥くんにはふわりと笑って
「いいよ、少し時間かかるけど行こう」
と言ってくれた。
「時間かかるのにいいの?」
もうすぐ夕方になるし、運転するのは遥くんだ。
疲れないかな?と思って聞くけど返ってきたのは嬉しい言葉。
「いいよ。依良とならドライブも楽しいし、運転だって疲れないから」
甘い笑みでそんな言葉を吐く遥くんは本当に狡い。



