それから遥くんがドアを開けてくれた助手席に座った。
隣には遥くん。
実はこの遥くんの車に乗るのは初めてで、運転している遥くんを見るのも初めて。
いつもは運転手さんがいるから。
「なに？」
運転している遥くんを見ていると前を向いたまま遥くんが言った。
「…えっ、バレてた？」
「そんなに見られてたらわかるよ」
運転しているから見つめていてもバレないと思ったのに……。
クスクス笑われて恥ずかしくなった。
「ごめんね、遥くんが運転してるの初めて見たから…」
赤くなったであろう顔を下に向けて隠すと
「俺も女の子を助手席に乗せたの初めてだよ」
と返ってきた。
