「それよりも美味しくないって何?」
キッと絢人を見上げるけど
「率直な感想だけど?」
絢人は余裕そうに私を見下ろしている。
「もっと言い方あるでしょ?
……別にいいけどね、遥くんは美味しいって言ってくれたから」
ふん、と絢人から顔を背ければ
「悪かったって」
とヘラヘラしながら絢人が私の髪の毛をクシャクシャ撫でる。
遥くんとは違って乱暴なんだから。
「今度俺にも作ってよ」
ひとしきり髪の毛をクシャクシャ撫で終えると甘い雰囲気を醸し出す絢人。
遥くんの甘さとは違う、どこかチャラさを感じる甘さ。
……この絢人の甘さに一体何人の女の子が虜になってるんだろうか。
「……すっごい苦いやつ作っちゃうから」
美味しくないと言った事をまだ根に持っている私が意地悪を言うと「それは困る」と笑った絢人。
そしていきなり私に顔を近づけて
「うんと甘いやつね」
と甘い笑みを浮かべて囁いた。



