淡いピンクの膝より少し丈が短いワンピースにカーディガン。
気合入れすぎと思われるのも恥ずかしいから派手すぎず地味すぎずな服装をしたつもりだけど、変な所ないよね…!?
何度も何度も鏡を見て確認していると
「依良、そろそろ遥架くんとの約束の時間よ!」
と階段の下からママの声がして時計を見ると約束の5分前。
「急がないと…!」
家まで迎えに来てくれるらしいけど待たせる訳にはいかない。
私は最後に鏡を確認してから肩掛けのクラッチバッグを持ち部屋を出た。
「急ぎなさい、もう遥くん来てくれてるから」
「え!?」
階段を下りて玄関まで行くとそう言われ驚いた。
連絡してくれたら良かったのに…と思ったけどまだ約束の時間にはなってないし遥くんは何も言わず待っててくれたんだろう。
ありがとうという思いとごめんねという思いが入り交じった。
私は急いで靴を履き、玄関の扉を押した。
「いってきます!」
「いってらっしゃい」
ママの声を背に聞きながら。