――――――――――
―――――
俺の肩に頭をコテッと乗せてスヤスヤ眠る依良を見る。
フワフワで柔らかい髪の毛に、真っ白な肌には瞑っている目のせいでハッキリと睫毛の影ができている。
スベスベの頬は桃色に染まっていて口紅なんて付けなくても赤い唇には思わず触れたくなる。
可愛い。
幼馴染みの贔屓目抜きにしても依良は可愛い。
依良が毎日隣で笑ってるだけで幸せだと思う。
可愛いと、愛しいと毎日思ってる。
毎日、想ってる。
「依良、」
「ん、……はる、くん…」
ソッと依良の頬に指を滑らせた俺に聞こえてくる兄貴の名前。
今依良は俺の隣にいるのに。
今依良に触れているのは俺なのに。
寝言まで兄貴かよと思うけど、どうしたって好きなんだ。
「残酷だな、依良は」
呟いた声は俺と前園しか知らない。
―――――
――――――――――
絢人 SIDE