こんな時にそんな事を聞くのは場違いなのかもしれないけど、やっぱり気になるし気にしてないフリは出来ない。

それに絢人はああ言ってたけど遥くんの口からちゃんと聞きたい。





「遥くん…」


一度目を伏せて何を言われてもいい様に覚悟を決める。
そして伏せた目を上げて遥くんに合わせた。




「婚約の話は…どうなったの?」


その言葉を聞いた瞬間遥くんは一瞬だけ表情を辛そうにさせたけどすぐに私を安心させる様に微笑んだ。


「婚約は解消したよ。そうじゃなきゃ依良のとこに来てない」


「そっか…、」


婚約を解消したと遥くんの口から聞いて安心した。

これで遥くんが望まない結婚をしなくて済むんだと安心したし、ちゃんと正式に遥くんと付き合えるんだって嬉しかった。


だけど遥くんの気持ちが一番だけど婚約を解消して遥くんの会社は大丈夫なのかなって気掛かりだった。



「遥くん、会社は大丈夫なの?」


滝川家とは関係ない私が聞くのは気が引けたけど思いきって聞いてみた。


だけど私の心配も杞憂だったみたい。



「大丈夫だよ。会社には何の支障もないし、栗原も納得してくれた。栗原と滝川はビジネスパートナーとして良い関係を築いていく」