「……………ん、」


「そろそろ落ち着いた?」


「うん…」


遥くんの腕の中で幸せを噛み締めて、嬉し涙が止まらなくなった私に呆れることなくずっと抱き締めてくれてた遥くん。



暫くして涙も止まり大分落ち着いたところで抱き締めていた腕を離してやっと、お互いの顔を見た。





いつもと変わらず格好良い遥くん。

だけどその表情はいつもよりずっと優しい。



ああ、私遥くんが好きだなって思う。



「依良」


私の名前を呼ぶ遥くん。



幸せだなって思う。


勇気を出して良かったって。

まだまだ両想いなんて実感ないけど想いが通じあって良かったなって思う。





でも、フッと頭を掠めたのは────────皐月さん。