「遥くんっ…!」
玄関の扉を勢いよく開けて家を飛び出す。
飛び出した家の前には大好きな大好きな遥くんの姿。
ああ、その姿を見ただけで涙が溢れそうになる。
夜の住宅街に佇む遥くんの周りだけが光って見える。
「依良」
私の名前を呼ぶ遥くんの前まで駆け寄った。
「遥くんっ…」
「ごめん、急に…」
そう言って申し訳なさそうにする遥くんに首を横に振る。
「遥くん、遥くんっ…、」
さっきまで躊躇っていたのに、怖かったのに。
遥くんを目の前にそんな事吹き飛ぶくらい胸がギュッてなる。
好きって伝えたい。
伝えたいよ、遥くん。