ママがそう言った直後、
「ただいまー…!」
と一階から声がしてパパが帰ってきた事を知らせる。
それを聞いたママが慌てて立ち上がって
「いけない、晩御飯の支度まだ途中だったんだった!依良も早く下に降りて来なさいね」
と言って部屋を出ていこうとした。
だけど部屋を出る直前で私の方を振り返り、
「前から思ってたんだけどそのネックレス素敵ね。依良にすごく似合ってる。きっと依良の事を考えてプレゼントしてくれたんだろうね」
と悪戯に笑い、今度こそ階段を降りていった。
「……………っ!」
ママが言ったネックレスとは遥くんの誕生日パーティーの日に遥くんがプレゼントしてくれたピンクダイヤモンドのネックレス。
ママはあんな高いもの私が自分で買ったとは思わないだろうからプレゼントだって気づいたんだろう。
それもこんな高価なものを高校生なんかにプレゼント出来るのはママの知ってる限り遥くんか絢人だけ。
遥くんか絢人か、ママには何も言ってない。
だけどママはわかってると思う。
ネックレスが遥くんからのプレゼントだって。
そしてこのタイミングでそれを言うって事は私の好きな人が遥くんだって事を。



