インナモラート 【完】







「花咲、良いところに!これ数学資料室までよろしく」


たまたま通りかかった職員室の前。

目の前の50代の数学科の男の教師は手に抱えていた分厚いホッチキスで留められた紙の束を大量に私に押し付けた。



「先生、」

「じゃ!頼むぞー」



推定5㎏はあるであろう紙の束。

それを押し付けられた私がよろけている間に先生は逃げるように去ってしまった。



重すぎる…!

先生の馬鹿っ!

と心の中で叫んでも紙の束が軽くなる事もなく、
だからと言って持っていかない訳にもいかず、



「よい、しょっ…」



大量の紙の束を三階の数学資料室まで運ぶ事になった。