「依良、私はね、パパに告白して…告白しようとして良かったって思うの」
「…うん」
「怖かったけど、勇気を出して良かったって思うの。だからね、今依良が想いを伝える事を躊躇ってるなら私は伝えた方がいいと思うな」
決して決めつける様な言い方ではなく、柔らかい表情と声でそう言うママに私も素直に話を聞く事が出来る。
「人それぞれ置かれてる立場も状況も全く違うから一概に告白した方がいいとは言えない。
想いを自分の中に秘めたままでいようって決めてる人もいるかもしれない。
でもそれはそれでいいと思うの。それがその人の信念だろうし、その人がそう決めてそれを貫き通すならそれはそれで素敵な想いだと思う」
「うん」
「でもね、依良が想いを伝える事を躊躇ってるのが想いを秘めたままでいいと本当に思ってる訳じゃなくて怖いからとか、そういう感情からくる躊躇なら…私はそれじゃ後悔すると思う」
「………っ」
「告白するって一度決めたんじゃないの?」
「………っ!」
「それを怖いからって理由で諦めて後悔しない?」
「………それは…」
「私はすると思う。私は僅かな可能性に賭けたけど実際はパパに振られる覚悟もしてた」
「…………」
「結果は想いが通じ合って良かったけど、もしも振られていたとしても後悔はしなかったと思う」
「…振られちゃっても…後悔はしなかったの?」
想いが届かなかったのに、後悔しなかったってどういう事なんだろうとママを見るとママは優しく笑う。
「だって自分の精一杯の想いは伝えられたから。そりゃあ多少の後悔はあるかもしれないけど、伝えないでいるよりは全然後悔しない。
告白が成功したからそんな事言えるんだろって言われたらそれまでだけど、私は本当にそう思うのよ」
“やらない後悔よりやる後悔”
そんな言葉が頭に浮かんだ。



