「好きな人に恋愛相談されるのよ?苦しくないわけない。辛くないわけない。毎日の様に泣いてた」
「…………」
「でもね、どうしても好きだった。親友として向けられる笑顔を恋人として見せて欲しかったのよ」
「うん…」
「でもやっぱり勇気は出なくて、遂に卒業式の日を迎えた。パパとママは大学は別々の所に行くからチャンスはその日だけだったの」
………そうか。だから二人が付き合った日は卒業式の日だったんだ。
「ママは…怖くなかった?」
自然と出てきた言葉。
その時のママの気持ちが痛いくらいわかるから。
状況は違うかもしれないけど、自分を好きじゃない相手に告白しようとしてたママと今の私が重なるからかな。
「パパは他の人が好きなのにパパに告白するのは怖くなかった?振られたらって…関係が壊れたらって…怖くなかったの?途中でやめたいって思わなかった?」
私は怖い。
もう自分に嘘を吐かないって決めたのに。
後悔したくないって決めたのに。
どんな結果になっても遥くんに好きって伝えるって決めたのに。
今の私は弱虫で、告白する事を躊躇ってる。
告白して振られて遥くんと幼馴染みですらいられなくなるのが怖い。
生半可な覚悟じゃなかったのに……時間が経てば経つほど、不安ばかりが募っていく。
切羽詰まった声でそう言った私に一瞬ママはその大きな瞳を更に大きくしたけれどすぐに優しい笑みを浮かべてで私の手を握った。



