「よーりっ!おはよう」
「おはよう、花咲」
柏木くんと話をしてから3週間。
柏木くんは次の日から普通に接してくれている。
笑顔で挨拶をして、他愛のない話もして。
柏木くんの爽やかな笑顔は私を元気にしてくれる。
友達として、私達は良い関係を築き始めている。
「なーに?依良。柏木くんの顔じーっと見て」
下から私の顔を覗く様にしながらそう言う栞。
そんな栞に言われて初めて柏木くんの事を凝視していたことに気づいた。
「うわあっ…、ご、ごめん柏木くんっ、」
見ていたつもりはなかったんだけどと言えば柏木くんは「んー?」なんて楽しそうに笑うから取り合えずは安心した。
何に安心したのかもよくわからないけど。
でもまあ、こんな感じでこの3週間は過ごした。
絢人とも何も変わらず、いつもの関係。
ただあれから絢人は遥くんの話を一度もしない。
一度もしないからこそ、段々と不安になっていく。



