遥くんは4つ年上の幼馴染み。
小さい頃からいつも私を気にかけて可愛がってくれた。
今もその延長線なんだろう、小さい頃同様、私を甘やかして可愛がってくれる。
まるで妹のように、可愛がってくれる。
遥くんがこうして私に触れたり優しくしてくれる事は嬉しい。
だけど私は遥くんが好きだから、妹のようにしか思われてないと思うと悲しいんだ。
だけど告白なんかして遥くんが私から離れてしまうのも嫌で、幼馴染みとか、妹としてでもいいから遥くんのそばに居たい。
「遥くん…、」
コテッと遥くんの胸に寄り掛かれば
「どうしたの?依良」
と優しい声が聞こえる。
「なんでもないよ」
「可愛い」
そう言って再びわたしの髪を撫で始めた遥くん。
いいの、その“可愛い”って言葉が妹としてでも。
近所の幼馴染みに対する言葉だとしても。
髪を撫でる手に、そっと目を閉じた。