インナモラート 【完】



「花咲、今いいかな」


お昼休みに柏木くんに言われて一緒に中庭の方へと行く。






「昨日はいきなりごめん」



周りに人が居ないのを確認すると柏木くんはそう言う。



「そんな……」


よそよそしい態度は取らないようにと言われてもやっぱり本人を目の前に二人きりになると落ち着かない。




「ビックリしたよね」


「ビックリはしたけど…、」


「だよね。俺もいきなり過ぎたかなって反省してる」


「柏木くん…」


「でも、本気だから」


「…………っ」


「花咲の事が好き。それだけはちゃんと伝えたかった」



真っ直ぐ目を見て言われた好きって言葉。



こんな私を好きだって言ってくれる人がいる事は嬉しくて…鼓動もドキドキと速くなるのに…


嬉しい気持ちと同じくらい苦しくなるのは…胸が痛くなるのは……。




柏木くんの真剣な想いに答えられないからだ。




「……………っ、」



そう自覚して俯いた私に、



「昨日の……滝川のお兄さんが花咲の好きな人?」



柏木くんの声が聞こえた。