柏木くんの声に私と遥くんが彼を見た。
「知り合い…?」
遥くんをチラッと見てそう言った柏木くんの声は柔らかいのに、どこか刺がある。
「あ……」
知り合い、と言えばいいのだろうか。
そんなわかりきった事に迷うほど今の私は冷静ではない。
「知り合い…。絢人のお兄さん」
その言葉に柏木くんは一瞬驚き、そのすぐ後に何故だかわからないけど頷いた。
「初めまして。花咲と同じクラスの柏木です」
そう言った柏木くんを遥くんは静かに見つめ、
「初めまして。ちょっと依良借りるね」
「えっ…」
そう言って私の手を引っ張った。
いきなりの意味不明な遥くんの行動に戸惑っているうちにもどんどん手を引かれて、顔だけ後ろを振り返ってみれば
「また明日、花咲」
と柏木くんが手を振っていた。



