「依良っ…」
突然現れた遥くんに会えた嬉しさと切なさが入り交じる。
上手く働かない頭で周りを見てみれば私から数メートル離れた所に遥くんの家の車が止まっていてその車から遥くんが降りてきた事がわかった。
お仕事の帰りにこの道を通ろうとしていたんだ。
だけどそれは理解できたけどどうして遥くんがわざわざ車から降りて来たのかわからない。
しかも…こんなタイミングで…。
「遥くん…、」
柏木くんには本当に悪いけれど、告白されてる所なんて遥くんに見られたくなかった。
遥くんが告白を聞いていたかはわからないけど、もしも遥くんが聞いていたらと思うとズキンと胸が痛くなる。
「依良」
「………っ」
依良、なんて。遥くんはどういう気持ちで呼んでるんだろう。
さよならをしたのに…。
例えこらから先、遥くんと話せる時が来たってそれは今じゃない。
名前を呼んで欲しいけど呼んで欲しくない。
会いたいけど会いたくない。
掻きむしりたくなる様な嫌なザワザワが私を支配する。
遥くんを見るだけで泣きたくなる。
「……………っはる、くん、」
「花咲」
苦しくて苦しくて絞り出した声は柏木くんの声に掻き消された。



