「……花咲」
戸惑う私に柏木くんは優しく声を掛けてくれる。
夕焼けが、綺麗で真剣な柏木くんの表情を照らしてカアカアと遠くでカラスが鳴いている。
赤にもオレンジにも見える空が私と柏木くんを包んだ。
「好きな人がいるってわかってる」
「…………」
「でも、少しでもいいから俺の事考えて」
「…柏木、くん…」
初めて告白をされて、胸がドキンドキンと鳴る。
ドキン、ドキン、と戸惑いと驚きに切なく鳴る。
ドキン、ドキン。
ドキン、ドキン。
ドキン、ドキン。
「依良っ…!」
ドクッ。
だけど私の名前を呼ぶ声が聞こえた瞬間、ザワザワと胸が騒いで苦しく締め付けられる様な痛みに襲われた。
だってその聞き慣れた大好きな声は…
間違いなく─────
「は、る…くん…」
彼のものだから。



