駅前にあるお洒落な外観の喫茶店。
そこに入ると話題の喫茶店なだけあってお客さんで中はいっぱいだった。
でも広くて開放的な店内だからかとても落ち着いた雰囲気だった。
「お待たせ致しました」
席に案内され、注文をしてから少しすると店員さんが私と柏木くんが注文した品を持ってきてくれた。
柏木くんはダージリンティーを、私はアッサムのミルクティーを。
「いただきます」
さっそく口に運んだ。
「……美味しい!」
アッサム紅茶の深い味わいにまろやかなミルク。
本当に美味しい。
「良かったね。……ん、この紅茶も美味しい」
柏木くんも一口飲み、満足した様に微笑む。
「ここ食べ物だけじゃなくて紅茶とかも美味しいって話題だったもんね」
「うん。本当に美味しい。今までの紅茶で一番くらい」
そう言って笑った柏木くんに一瞬、私の動きが止まった。
このミルクティーは確かに美味しい。
紅茶の味わいもミルクのまろやかさも抜群に美味しい。
でも私は……
“どうぞ”
垂れた目で優しく笑う榊原さんが淹れたミルクティーが一番美味しいと思う。
榊原さんが淹れてくれて、遥くんの隣で飲むあのミルクティーが一番美味しいと思う。
………遥くん。
遥くん………。
「どうかした?」
柏木くんの声にハッとして首を横に振った。



