インナモラート 【完】


「どうかした?」

視線に気づいた柏木くんが私の方を見る。


「えっと…、今日楽しかったなって…」

「それなら良かった」


ニコッと微笑む柏木くんはやっぱり爽やかで女の子に人気があるのも頷ける。



男の人と付き合った事はおろか、遥くんや絢人以外の男の人と二人きりで帰ったりした事はない。

だから最初は緊張してたんだけど、時間が経つにつれてその緊張も解けていった。


お店を見て回ったり、カフェで美味しいケーキを食べたり、ゲームセンターで遊んだり、本当に楽しかった。




そんな事を考えていると、「花咲」と声がして柏木くんが何かを渡してきた。

なんだろうと思い渡されたそれを見てみると…


「これ…」

「あげる」


それはさっき柏木くんが何度も挑戦していたウサギのぬいぐるみだった。