次の日、まだ微熱があった私は学校を休んだ。


そして更に次の日…。




「もう熱はないけど…どう?学校行ける?」


計り終えた体温計を持ってそう問い掛けるのはママ。

既に昨日の午後には熱は下がっていたし、頭痛もないし咳も出ていない。

身体は普段より少しまだタルいけど、学校を休む程ではない。



「行けるよ」とママに告げて、制服に着替える。




全ての支度を整えて、朝ごはんもしっかり食べて、いつもの時間に家を出ると丁度お迎えの車が家の前についた。




「おはよう、絢人。おはようございます、前園さん」


二人に挨拶して、後部座席に乗り込んだ。





「もう体調は大丈夫なの?」


風邪が長引かなかったのはすぐにお医者さんに診てもらい薬を貰えた事に加えて絢人がつきっきりで看病してくれたおかげもあるのかもしれない。



「うん。お陰さまでね。色々ありがとう」


「どういたしまして」


お礼を言うと絢人は柔らかく笑った。