『依良』
抱きついた私に困った様に笑う遥くん。
そんな顔さえも様になる。
『遥くん』
大好きな遥くんにグリグリとおでこを当てて、今度は遥くんの胸にピタッと頬を摩り寄せる。
夢の中なら、とことん甘えちゃえ。
現実では出来ない事も、とことんしちゃえ。
『遥くん、遥くん』
ぎゅーっと抱きつく私に遥くんも腕を回して抱き締め返してくれた。
ああ、なんて幸せなんだろう。
大好きな遥くんに包まれて、これ以上の喜びはない。
夢の中だから気にするものは何もない。
素直になれる。
『依良』
『遥くん』
『好き』
遥くんに抱きつきながら、何度も伝える。
『遥くん、好き。大好き』
すごく、すごく
『大好き』
とってもとっても
『大好き、遥くん』
好きだよ、遥くん───。



