「あや、と……」
頭もボーッとするし、熱のせいか目も潤んでくる。
訳のわからない不安も感じる。
「頭…ボーッとする…」
「うん」
「眠い…」
「寝ていいよ」
「………っ」
遥くんの家に来たのはさよならをして以来だからかな。
寂しいのは。
でも今は熱のせいって事にしておこう。
「手…繋いでて…?」
一人ではいたくない。
「うん。繋いでるよ」
そっと絢人が布団から出た私の手を握った。
冷えた手が寒いはずなのに心地いい。
「ここにいるから早く寝な」
聞き慣れた絢人の声に、
安心する心地いい繋がれた手に、
スッと眠りにつく事が出来た。



