診察の結果、私はただの風邪で大事には至らないけれど熱が下がるまでは安静にと言われた。
処方された解熱剤を飲み、客人が宿泊する時用の部屋に通された。
部屋にはテレビとテーブルとソファーとベッド。
何故そんな部屋に通されたのかと言うと、「このまま霞さんが帰ってくるまでは俺の家に居なよ」と絢人に言われたから。
断ったけど榊原さんもその方がいいと言って結局は絢人の意見が通された。
だけど本当はこのまま家に一人で居たくなかったのも事実で、厚意に甘える事にした。
ベッドに横になった私の隣にはイスに座った絢人。
「寒くない?」
「少し…寒い」
さっきまでは熱くて熱くて仕方なかったのに今は寒い。
布団を薄手のものも合わせて四枚も掛けているのに寒くて寒くて仕方ない。
「これ以上布団を掛けると重いし…、身体はこんなに熱いのにな…」
絢人の手が私の頬を撫でる。
それがまた気持ちよくて、安心した。



