「ちゃんと早退するってカイに言っておいたから大丈夫」


カイと言うのは同じクラスの絢人の友達。


「そういう問題じゃないよ」


「でも前園二回も迎えに来させるなんて悪いでしょ?」


「………だから迎えは大丈夫って」


「でももうこっち向かってるし」


「………」


「依良も心配だし」


「………」


「だから、ね?」


もう何を言っても絢人はサボる気だ。



「前園が着いたら起こすから、寝てていいよ。怠いでしょ?」


私が諦めた事がわかった絢人にそう言われて少し眠りにつく事にした。






「熱いな…」


おでこに触れた絢人の手が冷たくて気持ちよかった。