少しするとシャッとベッドを仕切るカーテンが開かれて絢人が私の鞄を持って来てくれた。
「あ…鞄ありがとう」
「うん」
でもどうしてだろう。
「何で絢人の鞄も持ってるの?」
絢人の手には私の鞄と、絢人の鞄が握られている。
「俺も早退するから」
不思議に思っている私に当たり前かの様にそう言った絢人。
いやいやいや。
「そんなのダメに決まってるでしょ?」
「何で?」
「何でって…絢人具合悪いわけでもないでしょ。そういうのサボりって言うんだよ」
「たまにはいいじゃん」
「良くないよ…」
そもそも何で絢人まで早退するのか意味わかんない。



