ボーッとベッドに横になりながら保健室の天井を見た。 周りはほとんどが白。 保健室なんだから当然なのかもしれないけど。 その白を見ていると浮かんでくる人物がいる。 ───遥くん。 遥くんを色に例えたら白。 穢れがなくて、綺麗で、王子様の色。 遥くん今何してるかな。 皐月さんといるのかな。 遥くんの事を考えると涙が浮かんでくる。 「遥くん……」 涙で震えたその声を聞いていた人が居たなんて私はこの時気づきもしなかった。