「え…?」
ビックリして絢人の方を見る。
「俺ん家ならすぐ迎え来させられるし、依良の家まで送る」
「そんな…わざわざ悪いよ」
「体調悪い時に遠慮なんかするもんじゃない」
「でも…」
「いいじゃない」
私の言葉を遮ったのは先生。
「先生?」
今度は絢人から先生の方を見る。
「滝川君のお家なら信頼できるし、私もその方が安心だわ。迎えに来てもらえるなら来てもらった方がいいわよ」
「…でも」
「先生もそう言ってるし決まりね」
「えぇ…」
絢人は微笑みながらそう言うとさっそく前園さんに電話をした。
「すぐ来るって」
「担任の先生には私から報告しとくから。滝川君、後は頼んだわよ。花咲さんは安静にね。病院にも行くのよ」
「はい」
「それじゃあ私はもう出ないとだから、お大事にね」
そう言うと先生は保健室から出ていった。
「迎え来るまで横になる?」
「うん」
絢人に身体を支えてもらい、保健室のベッドに横になった。
「鞄とか持ってくるから、少し待ってて」
そう言った絢人に「ありがとう」と言うと絢人は笑って優しく私の前髪を横に流す様にして撫でてくれた。



