「38度5分ね」
保健室に着き養護教諭に言われたとおり熱を計ると予想通り熱が出ていた。
「……38度も」
「だから早く保健室行けって言ったじゃん」
「だって…」
熱はあるだろうなとは思ってたけど38度もあるとは思わなかった。
「暫くここで休んでいてもいいけど、私今から出張で出なきゃいけないのよ。だから親御さんに迎えに来てもらって帰った方いいかもしれないわ。体調の事を考えても」
「え……」
「親御さん今日は来られない?」
「はい…」
確か今日ママは最近通い始めたという華道教室に行くと言っていた。
教室は午後かららしく帰ってくるのは15時以降だとも…。
来られない旨を伝えると先生は困った様に考え込んだ。
少し寝てれば良くなるかもしれないし、暫くここで休ませてもらえばいいと思った私はそれを伝えようとしたけれど、一瞬絢人が喋り出した方が早かった。
「俺の家の迎え来させます」



