今日だけで絢人と栞に各10回くらいは「具合悪いの?」だとか「保健室行け」だとか言われたけど私は「大丈夫」とか「行かない」とか言ってたけどこれは保健室に行った方がいいかもしれない。



今はお昼休み。授業が始まってからより今行った方がいいだろう。



本格的に具合も悪くなってきたし……。





「栞、保健室行ってくる…」


「うん、そうした方がいいよ。私も付き添うから」


「大丈夫、一人で行けるから」


「でも…」


付き添うと言ってくれた栞を断って立ち上がろうとした。

それだけでもうフラフラだ。




「依良、私やっぱり付き添う」


そんなフラフラな私を見て栞がそう言い私を支えようとしてくれているけど身長が150センチなく小柄な栞が殆ど力の入らない私を支えられるはずがない。


何とか出せる力を振り絞るけれど具合も悪く頭がボーッとするしで力が上手く入らない。



このまま歩けば二人とも派手に転んでしまう。





「栞…本当に大丈夫だから…」



そう言ってもう一度足に力を入れた瞬間────。ふわっとした浮遊感を感じて、全身の力が抜けた。