馬鹿でドジで間抜け。
そんな三拍子が全て揃った様なヤツなんだ、依良は。
昔から甘えたがりで、たまに生意気で、穢れがなくて純粋無垢で。
弱くて脆くて、すぐ泣いて。
そのくせすぐ笑いもして。
どうしようもないヤツだって思う。
でも、そんなところも全てが可愛いんだ。
良いところも悪いところも全てが愛しいんだ。
存在自体がこんなにも愛しいんだ。
ドロドロに甘やかして、たまにからかって意地悪して。
笑顔にもしたいし泣かせもしたい。
俺だって、依良が兄貴を好きになったあの日からずっと依良が好きなんだから。
依良と同じ年月、恋をしてきたんだから───。



