「小さい頃は本当に妹の様だった…そう思ってた。それなのにどうして……」


「……っ」


兄貴の泣きそうな声に俺まで苦しくなった。




「何もわかってない依良を閉じ込めて、誰にも触れさせたくなかった。でも…俺と依良の関係がおかしいって事に依良は気づいた」


「……」


「俺も…会社の、家の為に好きでもない人と結婚する」



そう言うと兄貴は静かに目を閉じ、感情なんてないんじゃないかってくらいに抑揚のない声で言った。







「これでいいんだよ」