車の窓からふと外の景色に目を向ければいつもと違う景色。



「絢人、そと……」


ビックリして絢人を見れば絢人はふっと微笑んで、前園さんの方を見た。



「依良が泣いてるから気をきかせたんでしょ」


「……………っ」


「申し訳ありません、一時間目の授業には遅れてしまうかもしれません」


私が泣いたからルートを変えて時間をかけてくれた前園さん。


「ごめんなさい、ありがとうございます前園さん」


「いえ」


お礼を言えば前園さんはミラー越しに微笑んでくれて、隣にいる絢人も微笑んでくれた。