「どうして絢人が謝るの?」


「俺が昨日兄貴に会えって言ったから…」


絢人の様子からして私と遥くんの間に何があったのかわかっているようだった。

つまり、私の目が腫れている理由もわかってる。

でも絢人が謝る事なんて一つもない。




「絢人が謝る理由はないよ」


「だけど…、」


「それに…こうなった方が良かったと思うし、こうなるしかなかったと思う」


「依良…」


「私はさ、少し遥くんに甘え過ぎちゃった」



仲が良いと言ったら聞こえはいいけどそれもある程度の年齢で終わりにしなくちゃいけない。


遥くんは私を子どもだと思ってるし実際私は無力な子どもだ。

だけど17歳でもある。

大人にならなきゃいけない年齢でもある。




「遥くんは私をいつまでも子どもと思ってるんだろうけど、私はちゃんと大人に近づいていかなきゃいけないの」



誰も傷つけたくない、遥くんに幸せになってほしい。




「だから離れる決意をしたよ」



曖昧で、だけど私にとったらとんでもなく大きな決断。