リビングに行くとパパは朝ごはんを食べ終えた様でネクタイを結び会社に行く準備をしていた。



イスに座って目にタオルを当てる私に何か言いたいことがあるんだろうけど何も言わないでいてくれてるパパ。



「依良、行ってくるよ」


ポンポンと私の頭を撫でて言ったパパ。


きっといっぱい心配かけているんだろう。


「パパ、いってらっしゃい」


ニコッと出来るだけ笑みを作れば腫れた目に一瞬苦しそうにしたパパだけど「行ってきます」と微笑んでくれた。






それからママが作り直してくれた朝ごはんを食べて学校に行く準備をすればいつも家を出る時間になった。


普段余裕を持って起きている為今日はお風呂に入っても何とか間に合った。





「依良、頑張りなさいね」


玄関まで見送ってくれたママにポンと背中を押されれば少しだけ強くなれた様な気になってくる。


「ありがとう、いってきます」


「いってらっしゃい」


笑顔のママに見送られて玄関の扉を押して外に出た。