「学校、行く」
「そうね、一日中部屋に居るより外に出た方が少しでも気分が晴れるものよ」
「ごめんなさい、心配かけて……」
「思春期だもんね、そんな時もあるわよ、私もあったし」
ふふ、と笑ったママは「ほら、」と言って私の両腕を引っ張って立たせると
「まだ家を出るのには時間があるから、お風呂に入ってきなさい」
そう言って部屋を出ていった。
ママの言葉は優しくもあり厳しくもあり、ママにしか言えない言葉ばかりだった。
ママの言う通り、家に居たって何も変わらない。
外に出てもきっとこの辛さは一つも変わらないんだろうけど、気分は少しでも軽くなるかもしれない。
強くならなくちゃ。
強く。



