「り…、よ、……り、より…依良!」
翌朝、起きる時間になっても起きてこない私を不思議に思ったママが私を部屋まで起こしに来たけど私は昨日の事もあり布団にくるまってそれを拒否する。
「……今日は学校休む」
「何言ってるの、ほら起きて?」
「やだっ…」
「昨日からどうしたって言うの!いい加減にしなさい」
昨日はあの後一日ずっと泣いていた。
ご飯も食べずにお風呂にすら入らずに。何もする気力が起きなかった。
「……依良、何かあったの?」
その小さな身体のどこにそんな力があるんだというくらい、強い力で私の布団を引き剥がしたママは私の腫れに腫れた目を見て心配そうに眉を下げた。
「…………っ」
「依良?」
サラサラと、ママが私の前髪を横に流す様に撫でた所で
「依良どうかしたのか?」
階段の方からパパの声が聞こえた。
こんな泣き顔、ママにも見られたくなかったけどパパにも見られたくない。
階段を上ってきそうなパパに慌てて目を擦ろうとするとその手をママが止めて、
「何でもないから大丈夫よ、それより先に朝食食べていてくれる?」
いつもと変わらない明るくて優しい声でそう言ったママ。
それにパパは「わかったよ」と言ってリビングの方へと戻っていった。
「ママ……」
私がそう言うとママは困った様に微笑んだ。



