好きな人はいないと言われた事がチクチクと胸を痛ませる。
初めから私なんて眼中にない事はわかってたけど。
それでも、こんなに苦しい。
今までの様に遥くんの近くにいる事ももう出来ない。
「……っ、遥くんっ……!」
何がなんて明確に言う事が出来ない程、全てが私から無くなってしまった様な喪失感に襲われて、大切なものが無くなった様で、悲しくて悲しくて。
こうなる事は遥くんを好きになった時から決まっていたのかな、なんて思う。
失恋ってこういう事なんだなと、
人を好きになるってこういう事なんだなと、
わかりたくないと思う程思い知らされた。
苦しくて辛くて、胸が痛くて痛くてたまらないよ。
「うぅ、………うわーんっ…!」
前に進まなきゃいけないのに、まるで子どもの様に泣き喚く私はまだまだ前に進めない。



