「……っ絢人!」
解放してくれた絢人から勢いよく離れて睨んで見ても絢人は涼しい顔で私を見るだけで。
絢人の事は幼馴染みとして好き。
何だかんだ言って優しいし、良いところもいっぱいある。
それにこうして絢人が私にくっついたりする事に特別な感情がない事は分かってる。
絢人は皆にそうだし。
だから絢人にくっつかれたりする事に対して虫酸が走ったり本気で嫌だとは思ってない。
小さい頃からこうだったからこれが絢人と私の“普通”って思ってる。
だけどやっぱり私の好きな人は遥くんだから……。
複雑な気持ちにはなるんだ。
「絢人、」
キーンコーンカーンコン……。
何だかモヤモヤしてきて絢人の名前を呼んだ所で授業の始まりを知らせるチャイムが鳴った。
「席着けー」
そのチャイムに合わせて担任の先生が教室に入ってきて私は自分の席に着いた。



