インナモラート 【完】




『滝川遥架です』


初めて会った日、遥くんの事を王子様だと思った。




『緊張しなくて大丈夫だよ』


笑った遥くんを見て、一瞬で恋に落ちた。






幼い小さな恋心がだんだんと大きくなって、

初恋はいつしか一生の恋と思えるほどになった。






最初の頃は幼馴染みで、妹でいいと思った。だけど私を見てほしいと思う様になった。




だけどそれを思う事すらもうしたらいけないんだ。





幼馴染みだって事は変わらない。

もう、妹の様にすら思ってもらえない。

もう、今までの様にはいられない。





悲しい、寂しい、嫌だ。

そう思うけど一番溢れる感情は遥くんが好きって事。




喉まで出かかった言葉を飲み込む。