「悪かったって、な?依良」
顔を近づけて耳元で甘く囁く絢人にブルリと身体が震えた。
それは絢人にキュンとした訳じゃなくて、耳元で喋られたからなんだけど…それを見た絢人は更に私の耳元で喋り出す。
「許してよ」
「……っ」
私の腰に手を回して逃げられない様にしてから喋る絢人に沸く怒りと羞恥。
「喋んないでっ…」
くすぐったくて身をよじれば更に絢人は嬉しそうに笑う。
「許してくれんの?」
わざとらしく甘く言葉を発する絢人に
「私はそんなに甘くないんだからっ…」
くすぐったさに涙目になりながら言うと
「俺はこんなに甘やかしてんのに」
分かりやすく落ち込む声が耳を掠めた。
「……っ、離れてよ…っ、」
何だかもう本当にくすぐったくて涙が零れそうになり絢人を見ると絢人は満足そうに意地悪な笑みを浮かべた後、漸く私を解放してくれた。



