それから残りのビーフストロガノフを数分で食べ終えたけれど味はよくわからなかった。
ごめんなさい柏さんと心の中で謝った。
「さ、食べ終えた事だし早く部屋に行きましょ?」
立ち上がった皐月さんと遥くんにつられる様に私も立ち上がった。
「遥くん、私帰るね。ご飯ご馳走さまでした」
そして遥くんにそう告げて部屋を出ようとしたけれどそれを遥くんが引き止める。
「送るよ」
「えっ、」
その言葉に反応したのは皐月さんだった。
「皐月さん、依良送ってきますから先に部屋に行っていてください」
遥くんはそう言うと私の背中を押すようにして部屋から出そうとする。
遥くんのその行動に驚くのは当然だ。
皐月さんが居るんだよ?
普通私なんて送らずに皐月さんと過ごすんじゃないの?
“不愉快”
“距離が近すぎる”
“本当の妹の様にあなたを思ってる”
皐月さんの言葉が頭の中に浮かんでくる。
「大丈夫だからっ…」
気づけば遥くんの腕を振り払っていた。



