「絢人!」
「絢人くん!」
私と栞の声が教室に響いた。
「置いていくなよ、依良」
栞からペリッと私を引き離して絢人は後ろから抱える様にして私の身体に手を回す。
「近いよ絢人」
すぐ後ろに感じる絢人にそう言えば
「いいじゃん別に」
と返されてしまう。
後ろから仄かに香る柑橘系の香り。
それは絢人が付けている香水の香りで、私はその甘い香りがお気に入り。
「良い匂い…」
つい口を出た私の変態発言にも絢人は嬉しそうに笑う。
でも…
「絢人いい加減離れてよ」
これ以上くっついてるのは恥ずかしいし、回りの視線も気になるしでベリッと絢人の腕を剥がす。
「チッ」
すると絢人は本日二度目の舌打ちを落とした。



