「あなた、遥架さんの幼馴染みなのよね?」
「はい……」
いきなり敬語の取れた皐月さん。
敬語が取れた事は別に何も思わない。だけどそれはフレンドリーな訳ではなくて明らかな敵意の向けられた口調。
「前も思ったけど、随分と仲が良いわよね。幼馴染みにしては」
「え……?」
「こんな事言うのはカッコ悪いし、言わないでいるつもりだったけど今日あなたに会って気が変わった。あなたと遥架さんの関係は私にとって不愉快でしかない」
ハッキリと告げられた言葉にドキンと心臓が音を立てた。
「不愉快…」
「分からない?距離が近すぎるのよ」
距離が近い。そう思う事はある。
だけど遥くんは皆にそうだし、私達は昔からそうだった。
恥ずかしいとか距離が近いなとか思った事はあってもそれが変だとは──普通ではないとは思った事がなかった。
「今日は話をしたかったから来てくれて正解だけど、こういう時は普通遠慮するものよ。
私は遥架さんの婚約者よ?あなたがいたら邪魔なの、分かるでしょ?」
皐月さんに何も言い返せなかった。
私はどこまでも無神経だった。
皐月さんの言う通りだ、婚約者である皐月さんとの時間を私が邪魔してるんだ。



