栞と別れた後にすぐに私達三人もお店を出た。
高級店が立ち並ぶ大通りを並んで歩く二人を前に私はただ自分の未熟さを痛感するだけ。
遥くんの腕に手を絡めて時折笑いながら遥くんに話し掛ける皐月さんは後ろから見ても美しい。
整った顔立ちにスラッとしたスタイル。
そして遥くんに似合うだけの品も兼ね備えている。
遥くんが選んだだけはある。
こんな綺麗な人なかなかいないよ。
それに比べて私は可愛い訳でも綺麗な訳でもなく、スタイルだって良くないし品も何もない。
俯くと見えるブレザーの胸の辺りに施されている校章。
制服姿の私は遥くんからしたら子どもにしか見えないのだろう。
皐月さんが遥くんに笑いかけるだけでモヤモヤする。
絡んだ腕を見るだけでズキズキする。
幼馴染みでいいって決めたのに……。
こんな事で傷ついてちゃダメだ。
遥くんと皐月さんを祝福するんだから。
好きって気持ちは消せなくても外には出さないって決めたんだから。
だから……
だから………、
こんな事で傷ついてたらダメだ。
そう思うのに───、
どこからどう見ても恋人同士の二人を目の前にどうしても心が痛む。
ジンワリジンワリと、黒い得たいの知れないモノが私の身体を支配していく様で怖い。
必死に涙を堪えて、なるべく二人を見ないように俯く。
「依良」
俯くと見えたのは遥くんの品の良い、恐らくオーダーメイドだろう茶色の革靴。



