「遥架さん!」
遥くんと話しているとお店に皐月さんがやって来て遥くんの隣に立つ。
「皐月さん…?今日はもう、」
「これで今日は終わりなんて納得できません、この後お食事して遥架さんのお家にお邪魔させていただく予定だったじゃありませんか」
強く言った皐月さんに遥くんは困った表情をするだけ。
「遥くん…」
予定があったのにどうして私の方へと来てくれたの、そう思って名前を呼ぶと皐月さんが私の方を見た。
「依良さん…、」
私を見る瞳は冷たくて背筋がゾクッとした。
だけど冷たい瞳を向けたのに皐月さんは
「あなたも一緒にお食事しません?遥架さんのお家でご馳走してもらう事になってるんです」
「え……」
冷たい瞳とは裏腹にそんな事を言った。
「いいですよね、遥架さん」
「うん、依良もおいで」
遥くんと一緒に時間を過ごせる事は嬉しい。だけど皐月さんと居る遥くんを見るのは嫌。
迷う私に遥くんは
「ただ家で夕食食べるだけだよ、絢人も居たら誘うし」
そう言う。
「でも……、栞と居るから…、」
それに私は栞と今一緒に居る。
だから断ろうとしたのだけど、「私は全然いいよ!」と後ろから声がして振り返ると試着を終えたのであろう栞が立っていた。



