「遥くんは……私に好きな人が出来たら…どうする?」
何となく、聞いてみた。
期待する言葉なんて返ってこない事はわかってる。
「……好きな人なんて、作ってほしくないよ」
「…………っ」
「依良に好きな人なんていらないよ」
「…………っどうして、?」
前にも言われたその言葉はあまりにも私の胸を抉る。
「大事な……妹みたいな存在だからかな」
「そっか」
もう涙が出そうだった。
曖昧に笑った私に遥くんは悲しそうな顔をして私を抱き締める様に腕を回した。
“好きな人なんていらない”
もしも私が遥くんに愛されていて、遥くんに異性として好きになってもらえてたらその言葉は物凄く嬉しい言葉なんだと思う。
それほど好きになってもらえてる証拠だから。
愛するが故の独占欲だから。
誰にも渡さないでって、遥くんだけの私でいたいって思う。
でもそこに何の恋愛感情もなく、ただ妹の様な存在として遥くんの隣に居る私にはその言葉は残酷な言葉でしかない。
独占欲でもなく、ただ子どもに見られてるだけ。
遥くんから離れる事も許さず、他の人を気にする事も許さない残酷な言葉。
好きでもないクセに、そんな事を言う遥くんは残酷な人だ。



